おうちが出来るまでにやること ~第225話

住まいづくりを始めるのにふさわしい時期はいつでしょうか。

ご婚約中の方々は、結婚準備のひとつとして、新居を建てるということを考えていらっしゃるようです。
まずは住まいを建て、家財道具を揃え、その上で新しい生活はスタートさせようという、上昇気流に乗った自然な考えとも言えるのでしょう。
建築資金は親御さんからの援助を受けて計画されている場合も多いようです。
最近、住まいを新築される方の低年齢化を感じていますが、これは時限立法された贈与税制度に後押しされているところもあるようです。
では、親御さんのありがたい資金援助を受け、いざ住まいづくりの計画が始まるとどうなるでしょう。

まだ一緒に生活をしたことのない二人が、どんな住まいをつくるのかということを話し合い始めると、「えっ、そうなの、知らなかった」「よくわからない」これらの言葉が飛び交い、なかなか話は進んでいきません。
お互いの日常生活をよく知り合うことのないまま婚約に至られたためか、始めて聞く話、考えたことの無かった話が多いのです。ある程度はお互いの生活の様子がわかっているという方々も、夫婦としての生活となると話は別ではないか、と迷いが生じるようです。
現時点での新しい生活イメージも共有できない状況ですから、10年後、20年後の生活をイメージすることはさらに難しいことです。
子どもが一緒の生活となった時に始めて実感できることは沢山ありますし、ご両親が高齢となられた時のことも、若い時には親が老いるということを現実として受け止められず、イメージしづらいこととなっているようです。

結婚準備に新居を建てるということは、昔は風習としてあったことなのに、なぜ今はスムーズに進めていくことができないのでしょうか。
かつては生活スタイルや依頼先の選択肢も限られ、住まいとはこういうものだというイメージが、世代を超えて地域で共有できていましたから、住まいを新築するにあたって改めてとまどうということはなかったのです。
また、子どもの頃から家事を通じて、住まいと生活の結びつきを自然に感じ取ることができていました。
しかし現代は性能や生活スタイルの選択肢も拡がり、依頼先も溢れる情報の中から選ぶことができるようになっていますので、あれこれと迷いが先行してしまい、判断がつきにくくなっているのでしょう。
家事の経験がないまま成長している場合もあり、自分たちの具体的な生活が現実のこととしてなかなかイメージできないようです。

住まいづくりの計画を始めるタイミングとして、ご婚約中では早すぎるということは決してありません。
婚約中だからこそ考えられる夢やユニークなアイディアもありますから、考えたことはストックとして大切に保管していただきたいと思います。
そして、まずは仮住まいからスタートし、生活しづらさを感じることがあったら、その原因が何であるのかをひとつ一つ見極めてみてください。
親御さんからの資金援助を受けて建てる場合は、自分の子どもたちにも同じように援助ができるように、資金を積み立てることを始めてみてはいかがでしょう。
金銭感覚も住まいづくりには大切な要素です。
これらの過程を経て、自分たちにふさわしい住まいのイメージが実感できた時が、「住まいづくりの適齢期」と言えるのかもしれません。

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